今回は我が家のキャットウォーク ヒストリーです。
って、そんなデカい話じゃないんですがw、戸建て建築計画から完成して入居の中でキャットウォーク含めいろいろ落ち着くまで、予想外に気持ちも行動も二転三転しました。
家を建ててみて分かったこともありました。
そんな話が猫ちゃんを飼っている方の家づくりやキャットウォークを作る際にちょっとでも参考になったらうれしいです。
梁の上のキャットウォークが出来るまで
すべては猫のために
始まりはマイホーム計画
今から8年前、家を建てることにしました。
しかし、完全に資金不足からの見切り発車。
「がんばればなんとかなる!」と勢いだけで計画を実行しました。
案の定、今考えると経済的には
「やっぱ家建てるのは早すぎたな。頭金少なすぎだったし」
という結論なんですが、猫のことを思うとやっぱり建てて良かったと思います。
なぜそんな無茶をやらかしたかというと、1日でも早く猫たちに良い環境で暮らしてもらいたかったから。
左:ララ 右:ココロ
2020年9月現在の2人なので新築当時よりは貫禄増し増しですww
マイホームを計画した当時は2人もまだ赤ちゃんから成長期途中でかわいい盛りでした。
事故物件かっ(違います)
猫たちを迎え入れた時に借りていたマンションが結露やカビが酷く、毎朝1時間の全部屋の結露取りは冬の日課。
そんなだからか、エアコンがカビるのも早い早い。
半年ごとにエアコンクリーニングを頼んでしました。
また周辺も酔っぱらいや近隣住民が尋常じゃないほどのドえらいうるささ。
警察が出動する騒ぎも何度もありました。
他にも夜中に車がうちの部屋(2階)の真下めがけて突っ込んで来たり(幸い、太めの街路樹が盾になってくれて建物は無傷でした)、
外階段の1階部分(周りから死角になっている)にデッカイどう見ても人糞があったり、フードを被った怪しげな男が立っていたり……。
いろいろありました。
とにかく、もう時空が歪んでるとしか思えないような変な物件でした。
猫のためのマイホーム
思い出したら興奮して話がずれました。
とにかく、そんな環境だったので猫限定で心配性な私は
「うちのかわいいかわいい猫ちゃんたちに何かあったらどうしよう」
と気が気ではなかったのもマイホーム計画を加速させました。
それとやっぱり、猫にも寿命あるじゃないですか。
猫はあっという間に年取っちゃうじゃないですか。
(´;ω;`)エグエグ
お金貯まるまで待ってから家建てたら、もしかしたらそのころには猫はもう……
(´;ω;`)ブワッ
『多めの住宅ローンを抱えて必死に働く苦労』と
『猫たちに良い環境を与えられなかった後悔』
を天秤にかけると、後者の方が絶対したくないことだったので家を建てることにしました。
もちろんまたペット可の賃貸を探しても良かったんです。
しかし猫を迎える前、引っ越し好きだったので結婚してから引っ越しすること4回。
(中には怪奇現象付きの物件もあり、速攻退去したものもあります)
そのたびに夫の両親に保証人になってもらっていて、とっっってもまじめな田舎の山奥に住む両親なのでそのたびに「何でそんなに家変えるんだ?」と言われていて、もうこれ以上は家を建てでもしない限り引っ越しは言い出せない状況になっていました。
そんなわけで意を決しての新築一戸建て。
実際、その後ハゲるほど働くことになるんですけどね。
まー、FPさんとかに言わせたらお金の使い方間違ってる家の典型なんでしょうなww
低予算マイホーム
そんなわけで、もちろんテーマは『猫のための家』
となると設計時にキャットウォークやらキャットステップやら猫用ドアやらいろいろ仕込む……はずが、実際は箱ものを建てるので予算的に精いっぱい。
なのでペットにもやさしい自然素材の壁材や床材が推しの工務店を選んで、まずは猫たちに好ましい『家そのもの』だけ建てることにしました。
工務店さんには
「人間なんてどーでもいいんです!猫のための家を!!」
とは言わなかったですが、やんわりと
「猫にも住みやすい家にしたいと思って自然素材を扱う御社にしたんですよ~」
とは伝えました。
キャットウォーク誕生のきっかけ
そんなこんなで設計の打ち合わせを重ねる中で設計士さんから
「梁の上を猫ちゃんが歩けたら喜びそうですよね。実際そういう風にしているお宅も多いんですよ」
と言われて、一瞬にしてテンション爆上がり。
「その方向で!」
と即答しました。
あとから考えると
「梁?高い所のこと??何なの梁って???」
と梁というよく知らない事に対して心の奥深くに多少の心配があった気もします。
自分の家の梁をキャットウォークにするなんて思ってもいなかったですし。
梁です。うちの写真じゃないですが、うちもこれくらいの幅の梁です。
何かを知らない時ってだいたい不安もセットですよね。
でも『そういう風にしているお宅も多い』と言われ
みんながやってるんだ!=じゃあ大丈夫!
と都合よく極端な脳内変換が行われ、心にあった不安はよく考えもせず勢いよくかき消しました。
そんな感じだったので、家が完成するまでは
『そういうの猫雑誌で見たことあるもん!梁の上を行き来できたら2人ともメッチャ喜ぶはず!!』
と、自分が梁に登るわけじゃないのに期待に胸が高鳴りっぱなしでした。
てか、そもそも建築やインテリアと猫を合体させた本を見すぎてたんですよ。
そういう本に出てくるお宅は潤沢な資金があるからやっているのに、
「うちはあんな風にしてあげられるほどお金ないなぁ……」
と本を見てはやるせない気持ちになっていました。
もうなんか初めての戸建て建築で希望と不安がごちゃまぜで、どうやっても地に足がつかず、現実をしっかり見て事を進めることが出来なくなっていた感じですね。
今思うと、もうちょっとしっかり考えたかった……。
その方が結果的にもっと良い家が出来た気がします。
(って、建てた後思う人って意外といるんじゃないかな?私だけ⁇ (;^_^A )
ちなみに、自宅を3軒建てた知り合いの話によると
「家は3軒建てて納得できるっていうけど、ホント、3軒目でまぁ理想的な家になったわ」
「だからはぷ子よ、初めて家建てたって満足なんかしないわよ。実際色々あーすればよかったとか思ってんでしょ」
だそうです。
「さ、3軒ってあんた……」と思う反面、
「1軒目じゃ後悔しても当たり前なのか」と思うとちょっと気が楽になりました。
話を戻して……
とにかく、そんな予算不足で猫が喜ぶ工夫を満足にしてあげられない不満の中で出た梁の上をキャットウォークにする話。
ちょっとは猫たちに喜んでもらえると思うと、楽しみしかありませんでした。
設計士さんが言うように、確かにいろいろな工務店の見学会に参加していた時に高い梁の上を猫ちゃんが行き来していた古民家風のステキなお宅もありました。
そのお宅ではないですが、こんな感じのステキな古民家の良さを残しつつモダンに生まれ変わったお宅でした。
そのお宅は細めの梁に何か安全対策をすることもなく、そのままの梁の上を猫ちゃんが歩いていました。
古民家だからなのか?梁の高さもめちゃめちゃ高かったです。
今思い出すと、見学会の帰り際に夫と
「あんなに高くて猫ちゃん、危なくないのかね」
「う~ん、あの梁から落ちたらケガするかもな。真下にガラスのテーブルあったし」
「素敵だけど、私はハラハラしちゃってあのままじゃ無理かな」
「オレも」
などと話していました。
が、いざ自分の家もそんな感じにできるとなったら危険について話した記憶なんか吹っ飛ぶんですよね。
「見学会で見たお宅と同じようにできるんだ!」
と憧れが現実になる喜びしかなくて、見学会の帰りの話など思い出しもしませんでした。
梁の上のキャットウォーク計画が出た日の帰りは
「楽しみだねー、キャットウォーク。きっとオシャレだよね」
「ララココたちも喜ぶぞ~」
などと浮かれた会話までしていました。
梁のキャットウォークの現実
そしてマイホームも完成し、晴れて引き渡しの日。
楽しみしかなかった梁のキャットウォークもとうとう完成!
実際に出来上がったリビングの梁を見てみると……
狭い!(幅10.5cm)
そして高い!(床まで275cm)
これは最近の写真なので梁の上に板を乗せていますが、入居当初は梁だけだったのですごく幅が狭く見えました。
期待とは裏腹に、実物の梁を見た瞬間から不安しかなかったです。
浮かれ気分が一気に現実を突きつけられたような……
「あ、……あああああ~……」
と何とも言えない反応になってしまいました。
設計の打ち合わせ時に一応出来上がる梁の高さを聞いて、設計事務所で
「この部屋だとだいたいあそこら辺の高さですね」
と実際の高さも示してもらって、
「まぁ、大丈夫か。猫だし」
とか言ってたんですよね。
にもかかわらず、完成した高さは設計事務所で見た高さより全然高いという印象でした。
何でも実際を見ないと分からないもんですね。
でもそりゃそうですよね。
あくまで梁は家のためのもので猫用ではないですもんね。
って、後から冷静に考えだすっていうね。
とにかく、ロフトから梁の上に渡れるような形で家は完成しました。
追い追いステップも設置して2方向から行き来できるキャットウォークとして完成させるとザックリ考えていたので、入居時には猫たちはロフトから梁の上に出入りできるだけの一方通行の状態でした。
「あの梁の上に行かせたら事故るかも」
とビビりまくり、梁の上に猫を行かせる勇気が全く出ません。
そこでとりあえずロフトの入り口を段ボールや板で塞いで出入り禁止にすることに。
何やってんだか……ですよね。
写真がないのが残念ですが、そりゃもうヒドイ見た目でした。
でも……
そういうことをすると猫って異常に入りたがるんですよね (-_-;)
ロフトの安全対策
「この先に行けるって知ってんだから!」
「秘密の扉クリアするぜ!」
てな勢いでロフトの入り口を塞いでいる段ボールを毎日毎日ガリガリする猫たち。
「やーらーなーーーい!」
「行かないよーーー!」
とそのたびに彼女たちに言って聞かせるのにも疲労困憊な私。
結局1か月くらいで根負け。
ロフトの入り口の段ボール類はすべて撤去して解放することに。
同時に工務店にお願いして梁とロフトの開口部を体育館によくある網みたいなもので塞いで梁には行けないようにしてもらいました。
網をロフトから梁に渡る開口部全面に張ったので猫たちも
「この先は行けないんだ」
とすんなり受け入れてくれてロフト内を探検するだけで気が済むようになりました。
梁を補強してキャットウォークに
そんなこんなで引っ越しから数か月経ち、身も心も色々落ち着いてくると
「やっぱりあそこに乗れたらうれしいのかな~」
と梁を眺めながら思う日々。
結局、また工務店にお願いしてロフトと梁の間の網を外して、反対側にステップも付けてリビングの床からステップを登り梁を通ってロフトにも抜けられるようにしてもらいました。
同時に梁の上にもっと幅のある板を乗せてもらって幅の狭さも解消しました。
この角度だと見えていないですが、梁の上に板が乗っています。
ステップは更に左側に続いて床まで下りられるようになっています。
本当はDIYで全部出来る事なんですが、夫婦揃ってDIYに全く自信がなく、新築の壁に穴とか開ける勇気が1mmも湧いてきませんでした。
あと、工務店に頼んだら割高なのは分かっていたんですが、他のもっと安く請け負ってくれる知らない業者に頼む勇気もありませんでした。
なので微々たるボーナスをはたいてお金で解決することにしました。
(その後、夫婦でDIY教室に行って心の準備をしたので今では何でもDIYしています)
そしてその直後ララとココロが相次いで落下するのですが ( ;∀;)、とにかく梁の上のキャットウォークは完成形となりました。
落ちた時の詳しい話はこちら👆
7年後の今年、ララが2回目の落下をしてDIYでキャットウォークに補強をした話は次回にしたいと思います。
キャットウォークを作ってみて思ったこと
雑誌やTVで梁の上を行き来する猫ちゃんは猫好きな方なら見たことあると思います。
私は漠然とした憧れの気持ちでそんな画を見ていましたが、いざ自宅にも設置してみて思ったのは、
やっぱりもっと最初(設計段階)からよーくよーく考えれば良かった
ということです。
私は「やってみないと分かんないじゃん」が口癖で、とにかく考えるよりやってみて問題があれば改善していけば良いタイプ。
でも梁のキャットウォークに関しては、その考えはやめた方が良かったと後悔しています。
実際、その後猫が落下して心配と「どうすればいいんだろう」という悩みがずっと続くわけですし、さすがにはじめにもう少し考えれば良かったと思いました。
梁の上をキャットウォークとして使うのか?
使うとしたらデメリットは何で対策はどうするのか?
それとももっと低い位置で別に作るなど代替案はあるのか?
本当にキャットウォークは猫のために必要なのか?
作るのは建設時なのか?後からなのか?
自分たちで作れないのか?工務店に依頼するのとDIYするのでは何が違うのか?
等々
我が家の猫と家関係の本
家を建てた後で「こんな本あるんだ」と買い集めました(^^;)
今でも新刊が出たら買っちゃいますよねw
もっと設計の段階で沢山考えてから進めた方が良かったと思いました。
その方が猫たちにも飼い主にもより良いキャットウォークを提供できた気がします。
今は猫のための住宅について細かく書いてある本や雑誌もあります。
ネットで『猫 梁』『猫 キャットウォーク』で検索すると沢山画像が出てくるのでそれらを見ながらどういう風なものなら安全そうかなど予想できると思います。
出来れば設置前に実際に猫カフェなどで実物を見たり、店員さんに猫の性格別にやらかした話はないかなどを聞くと本やネット以上に参考になると思います。
そしてネットの情報の中には「これなら絶対大丈夫」と言っているものもありますが、そこは鵜呑みにせず、是非とも自分の家の猫ちゃんの年齢や身体能力や好み、性格などから今一度考えてみて欲しいです。
飼い主さんしかわからないこと、飼い主さんだからわかることがあると思うので。
低い位置のキャットウォークなら作ってみて改善していくのも簡単かもしれませんが、我が家のような高い位置のキャットウォークは改善も一苦労です。
まずは事前に情報や知識をしっかり蓄えてからキャットウォーク計画を始めることをおすすめします。
(てかうちが勢いで作っちゃっただけで、普通は皆さん言われなくてもそこらへんはしっかりやるのかもしれませんね……(;^_^A )
親の心子知らずな2人。
でも猫は高い所が好き説は我が家も同じくでこんな風によくくつろいでくれているので、やっぱり梁の上をキャットウォークにして良かったんだろうなぁ。
業者に頼む場合でも、間違っても我が家のように自分たちの知識はゼロでほとんど設計士さんにお任せはあまりお勧めではないな~というのが個人的意見です。
(猫専門の設計業者さんなどなら別ですが)
我が家がそうだったのですが、実は担当の設計士さんはじめ、お願いした工務店に『ペットと住宅』に関して特に詳しい人はいないようでした。
工務店ではペットが舐めても安心なワックスで床を仕上げていますというのがウリの一つでしたが、それはワックス業者が持っているデータであって、そういう物を扱っているのとペットに詳しい設計士さんがいるかどうかはまた別の話です。
工務店さんからペットの話が出てきて簡単に安心してしまって気づけなかった点ですが、頭に入れておきたかったポイントです。
幸いペットも視野に入れてくれている工務店さんだったので、こちらでももっと猫と住宅に関しての知識を蓄えた上で設計時に色々話合えばもっとスムーズに話も進み、もうちょっと満足度が上がる家が出来たのではないかなと思います。
本当に猫のための家を建てると言いつつ、知識不足過ぎでした。
現場監督さんは
「何度か猫用のステップは設置したことある」
とは言っていましたが、
(それを聞いてまた簡単に安心してしまったのですが)
だからと言って猫の生態に詳しい訳ではなく、
実際に最初に設置してもらったキャットステップは、猫が飛び乗るたびにバインバイン揺れるのですぐにもっと強力な設置金具に変更してもらいました。
その際に現場監督さんが
「猫の体重ナメてましたwこれくらいの小さい金具で大丈夫と思ったんスけどダメですね」
と言っていたのが印象的でした(^_^;)
もし猫のための建築やリフォームを考えているのなら猫専門の住宅設計士さんもいるのでお願いするのも良いかもしれませんね。
有名な猫専門設計だと㈱ネコアイさんですかね。
我が家が経ってからそういう会社もあるのだと知ったので、お願いできなくて非常に残念でしたが、最近は『猫専門 設計』で検索すると結構ヒットするし、時代は変わるもんですなぁ。
あとすんごい余談ですが、うちの設計を担当してくれた設計士さんはうちが初めて担当した案件だったようです。
(建ってしばらくして偶然見つけた工務店の社長のブログで発覚しましたw)
まぁ、ベテランの方のバックアップもありつつ進めたのではと思うので、いいんですけどね……。
最初に言ってほしかったのもあるけど、
「えー不安だしー、ベテランさんにチェンジしてー」
とか言える勇気もないので、言われたところでってのもあるし……いーんですけどね。
もちろん、手作りでキャットウォークを作るのもとっても楽しいですよね。
もともと住んでる家にキャットウォークを設置するのであれば勝手もよく分かっているのでイメージもしやすいし、良いものが作れそうですよね。
作っている途中で変更も簡単そうですし、実際うちも入居から数年後に寝室にキャットウォークを設置した時はDIYでした。
考えながら進めていけるし、物作りの喜びも感じられて楽しかったです。
また自分たちが作った物を猫たちが使ってくれると喜びも全っっ然違います。
いつもながら取っ散らかった記事になってしまいましたが、そんなこんなのキャットウォークの話第二弾。
猫ちゃんが喜ぶキャットウォークが世に増えることを願いつつ、終わりたいと思います。