突然ですが、グリーフケアって知ってますか?
私はつい最近知って、どハマりしていますw
今回は動物医療グリーフケアを提唱する獣医師であり動物医療グリーフケアアドバイザーの阿部美奈子先生の猫の飼い主さんのためのグリーフケアzoomセミナーに2度ほど参加したのでそのお話です。
全飼い主さんに知ってほしい!グリーフケア
グリーフケアとは
そもそも「グリーフ」という言葉が聞きなれないですよね。
(そう思っているのは私だけ?(^^;) )
「グリーフ」と検索すると
(死別などによる)深い悲しみ。悲嘆。苦悩。嘆き。
と出てきます。
大切な誰かや何かとの別れに対する悲しみ……といったところですかね。
こう文字にしてしまうとサクッと読めてしまいますが、実際に身近な人との永遠の別れは言葉にできないほどのショックや身も心も大きなダメージを受けます。
それは家族同然に暮らしていた動物たちとのお別れの時も同じ。
私の場合は父が亡くなった時よりも愛犬のモグアイが亡くなった時の方が長期に渡り深い悲しみに沈みこみました。(とーちゃん、すまん)
とはいえ、父が亡くなった時も相当ショックでした。
父の葬儀の時に叔父が
「俺はばーさん(私のおばあちゃん。叔父の母)が亡くなって2年はダメだったな。落ち込んだ」
と言っていたので、2年間耐えればいいのかと思っていたら2年経っても全く父を亡くした悲しみが癒えなくて「おっちゃんのウソつき!」と思っていたのを覚えています。
グリーフが発生するのは動物や身近な人物に対してだけではないそうです。
『引っ越し』や『生きがい』、『自己像』や『物』などに対しても失った時、失ったらどうしようと不安をおぼえた時にグリーフは発生するそうです。
悲しみや不安なんかサラッとかわしてcoolな感じの女でいたいものですが、対象が自分の中で大切であるほどグリーフは大きくなり、幸せだったからこそ悲しみは大きくあらわれるんだそうです。
てことはやっぱり父親よりもモグアイの方が大切だったのか……わかる気がする。(^^;
これはもうララココロを失ったら超巨大グリーフ発生今から間違いなしです。
coolな女なんか余裕でブッ飛ばすくらい大発生する予感です。
まぁ、それは以前から分かっていたことで、ちょいちょい
「この子たちがいなくなったら私どーなっちゃうんだろ?」
と不安はありました。
そういうのは予期グリーフと言うそうです。
「でもそれも自然なことなの」と阿部先生がおっしゃっていた時はすごくホッとしました。
ちゃんとわかっている人や専門家にそう言われると本当に心底ホッとします。
ホッとしすぎて泣きそうでした。
そんな予期グリーフ含め、グリーフをケアして行くのがグリーフケアです。
そう言うとペットロスのケア方法かと思うかもしれませんが、 グリーフケアは大切な存在が亡くなった時だけでなく、一緒に暮らしている時からのケアが大切なんだそうです。
私はSNSでフォローしているくまお君(ネコちゃん)のお母さん(飼い主さん)こと鎌田里苗さんの告知から初めてグリーフケアのお話を阿部先生から伺うことが出来ました。
その時の告知↓ 今年3月に開催されたものです。参考まで
引用元:kumao.co
”ヒトもネコも不安をほどく” の文字に心を持ってかれて参加を即決しました。
くまお君のお母さんはいつも表現上手だなーと色々尊敬しています。
当時の募集を見ても分かるように、猫と飼い主さんのためのグリーフケアのお話でしたが、もちろん人間の家族とのグリーフケアを扱っている専門機関もあります。
ターミナルケアや終末医療という言葉は聞いたことがあるので何となく知っていましたが、グリーフケアというケア方法が確立されているとは全く知りませんでした。
グリーフケア自体は60年くらい前にアメリカで始まったようです。
なので日本ではこれから認知度が上がってゆくのかなと思います。
日本は災害なども毎年のように起こる国なので、動物に限らずグリーフケアが広まる必要が大いにあるのではと感じます。
実際にグリーフケアのお話を聞いてみて
上記リンクの3月のセミナーに参加した時は
動物を飼っている飼い主さんにはどんなグリーフがあるのか
ワンちゃんやネコちゃん自身にもグリーフがあること
(死別などで受ける悲しみ自体は避けられないけど)
どうしたら グリーフを和らげたりずっと悲しみから立ち直れない状態にならないようにできるのか
などを伺いました。
つかず離れずの2人だけど、どちらかがいなくなったらこの子たちもグリーフを感じるんだろうなぁ。
例えば、飼っているワンちゃんの体調が悪くなって病院に連れて行ったら大きな病気だと知らされたとします。
そのまま獣医さんはその病気の詳しい説明や今後の治療予定の説明を続けます。
でもそんな時ってショックで冷静に説明なんて聞けないですよね。
もう頭の中が真っ白といった状態になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そんな時の飼い主さんの心の状態はもはやグリーフなんだそうです。
そんな何とも表現しがたいイヤ~な気持ちは今まで何度も味わいましたが、それがグリーフだという事やその段階でケアした方が良いという事は知らなかったので目からうろこでした。
死別の時だけでなく、ペットが病気になった時や在宅介護の時の飼い主さんの心が不安な状態もグリーフなんだそうです。
また、私のように今はネコたちが元気でも
「将来病気になってしまったら」
「災害が発生してこの子たちに何かあったらどうしよう」
「いつかは私よりも先に旅立ってしまう。その時自分はどうなっちゃうんだろう」
と将来に不安を持つこともグリーフなんだそうです。
そしてそれは専門家やグリーフケアの知識がある人に相談すればケアして和らげたり、お別れが来た時に起こりがちな「あの時こうしていれば」という後悔の気持ちを減らしたり、長期間悲しみを必要以上に長引かせることを避けることができるそうです。
逆に悲しみから回復してゆく過程で温度差のある対応をされたら状態は悪化するそうです。
阿部先生は間違った薬を塗るようなものだとおっしゃっていました。
でもこれとってもありがちですよね。
例えばお別れ直後でまだ心の整理もつかない時に他者が元気づけるつもりで言った言葉が実は言われた方には急がされているように感じる言葉であると悲しみをしっかり味わう時期に味わえなくなってしまうそうです。
この『悲しみを味わう』というのはとても必要なこと。
でも実際かなりつらいことですよね。
なのでよくわかっている人に寄り添ってもらえることが必要になるそうです。
私のグリーフ体験
前述のモグアイはちょっとした手術のために入院して、手術も無事に終わり今日は帰れるという日の朝、病院の看護師さんに朝のお散歩に連れて行ってもらう時にお姉さんとのお散歩がうれしくてはしゃぎすぎてポックリ逝ってしまいました。
変に頭が良く、若いお姉さん大好きなクレヨンしんちゃんみたいな子だったのでモグアイらしいといえばそうなんですが……(^^;
知らせを受けて病院に駆けつけると冷たい診察台にモグアイは横たわっていました。
私は動かなくなったモグアイを見た瞬間、膝から崩れ落ちて先生がこれからやることを説明しているにもかかわらず、モグアイの名前を連呼しながら大泣きするという自分でも全く予想外の状態になってしまいました。
その時、先生は説明を止め何も言わずにいてくれたんですが、母親に
「しっかりしなさい!」
と怒鳴られ、床に座り込んだ私を無理やり立ち上がらせながら
「先生の話をちゃんと聞きなさい!」
と母が何度も怒鳴っていたのを覚えています。
あの時、落ち着くまでとりあえず泣かせてもらえていたらその後長期にわたり引きずることになる深い悲しみも違っていたのかもしれませんね。
でもモグアイを引き取って病院を出るときに受付で散歩に連れて行ってくれた看護師さんが泣きながら黙って頭を下げてくれていたのを覚えています。
看護師さんにはショックを受けさせてしまって申し訳なかったです。
でも、一緒にただ黙って泣いてくれていた姿がかなり私の救いになった気がします。
これもきっとグリーフケアなんでしょうね。
また、モグアイの時は私は社会人でしたが、小学生の時に生まれて初めて飼った犬のペロを亡くした時は、大好きなパートナーとの人生初のお別れでした。
お別れ直後からたくさん泣いて、少し落ち着いたので母のところに行って
「ペロがいないなんて信じられないや」
と言ったら
「いつまでもペロのこと言ってんじゃないの!」
と母に怒鳴られてびっくりしたのを覚えています。
またその数日後、犬小屋のところに落ちていたペロの毛玉を拾って自分のオルゴールの中にこっそりしまい、たまに取り出しては頬にあてて泣いていたことを母に
「毛をオルゴールに入れてんの知ってんだからね」
「そんなの虫がわくよ」
と言われて何が言いたいの?この人は。と思ったのと親子でもデリカシーないわと子供ながらに感じたのを覚えています。
こう書くと母はかなりの悪者に聞こえますが、今思うとペロは母にとっても初めて飼った犬でしかも急死だったので本来動物好きの母が自分を制御できなくなるくらい相当ショックを受けていたのではと思います。
母にもグリーフケアが必要だったんだんですね。
グリーフは大人であっても信じられない態度を取らせてしまうくらいの力があるんですね。
これからはグリーフケアが飼い主さんたちに広まって私のように幼い子供のグリーフは大人がしっかりケアできるようになるのを切に願います。
というか、多分毛玉を取っておいてそれを何度も握りしめて泣くって行為は立派なグリーフケアだと思います。
無意識でやってしまうって子供ってすごいんだなとこれを書いていて思いました。
そんな経験をいまだに覚えているのもあり、初めて動物医療のグリーフケアのお話を聞いた時はすぐに
「これは私に絶対必要だ!」
と感じてもっと勉強したいと思いました。
2回目のグリーフケアセミナー
4月には前回のグリーフケアセミナーで多く上がった質問に回答するかたちで2回目の阿部先生のグリーフケアセミナーが開催され、そちらにも参加しました。
1回目よりもちょっとリラックスできていたからか、気付きもより多くありました。
zoom越しなんですが愛猫を亡くした参加者さんや現在ネコちゃんの介護中の参加者さんの気持ちが伝わって来て、泣いちゃって泣いちゃって終わってからドッと疲れました。
でもグリーフケアで流す涙って、その後自分の愛猫に一層愛情が増す涙なんですよね。
だから決して嫌な涙じゃないんです。
くまお君のお母さんの鎌田さんは2019年8月から2020年11月までsippoにグリーフケアの連載を持たれていて、第一回目の連載にこう書かれています。
そんなときに獣医師の阿部美奈子先生が提唱する「動物医療のグリーフケア」に出会いました。グリーフとは“悲嘆”を意味する言葉。グリーフケアは亡くなった後の心のケアのイメージが強いのですが、そうではないと阿部先生は言います。
家族としての動物が生きているうちから、命と向き合い、一緒に過ごす“今”の時間を楽しく大切に生きることが、亡くなったあとの後悔を減らすことにつながる、と知り、そこから私はくまおとの関係が楽になったのです。
引用元:sippo.asahi.com
引用元:sippo.asahi.com
そう、グリーフケアは悲しみと向き合うけれど決してつらい向き合い方ではないし、あくまでペットも人も前向きに生きていくためのツールなんだなと感じました。
そんなところが私がグリーフケアにハマった決め手でもあります。
阿部先生がペットの介護はワンちゃんやネコちゃんたち本人が心地好いようにという事で在宅介護での点滴はこんな風にしたら良いですよなどなど、具体的なやり方や先生が実際に使用されているグッズなども紹介されていて
「不安を減らしてゆくってこんな細かいことからやってゆくと良いんだな~」
「こういう見方や考え方にも変えられるんだ。それなら楽だな」
と沢山勉強になりました。
阿部先生のサイト↓
引用元:grief-care.net
獣医療従事者さん向け情報が多いですが、飼い主さん向けの情報も載っています。
飼い主さんとペットのためのグリーフケアの本
阿部先生はワンちゃんの飼い主さん向けにグリーフケアの本『犬と私の交換日記』も出版されています。
ただ出版社が倒産してしまい、在庫も残りわずかとなっているそうです。
Amazonでも中古を扱っていますがかなり値上がりしている模様 (-_-;)
くまお君のお母さんのサイトでも取り扱っていて、まだ在庫切れの表示はされていないのでもしかしたらまだ入手することができるかもしれません。
ワンちゃんだけでなくネコちゃんやどんな子にも当てはめて活用できるので、興味ある方はサイトを見てみて下さい。
(て、あくまで勝手に紹介しております)
『犬と私の交換日記』は50の質問に読者が答えてゆく質問形式になっています。
ページは空白が多めですが、質問の答えを本に直接書き込むための空白です。
はじめはきれいな本に直接書き込むのは躊躇しましたが、直接書き込むことで私とララとココロ(2人いっぺんに書き込んでおります)の物語が一冊の本になるのできっと書き上げたら宝物になるなと思い直接書き込むことにしました。
はい、映り込まな~い ('ω')ノ 寝起きでボサボサ子ですw
隅っこにはページの質問に関するヒントのように他の方の例などが載っていて答えやすくなっています。
とはいいつつ、実はまだ最初の数個しか書いていないです。
1日に2問以上進めるのはムリー!て感じです。
なぜなら、1問答えるたびに号泣しているから。笑
嬉しい涙や感動の涙でも泣くとドッと体力消耗するんですよね。
子供の頃ってよくあんなにちょいちょい泣けたなと思いますw
しかも2問分の答えを書いただけでもララ・ココロへの愛情があふれちゃってあふれちゃって大変!笑
これ以上いっぺんに続けたら有り余る愛情でどうかしちゃいそうなのでw毎日数問づつにしております。
あと、例えば最初の方の質問は出会いの時の様子とか、不安に直接フォーカスした質問じゃないんですよ。
でも答えを書いていくとすごく癒されるし、愛があふれ出ちゃうんですね~。
なんだか不思議です。
グリーフケアの勉強はまだまだこれからといった感じですが、チャンスがあればまたセミナーに参加したりしてもっともっと理解を深めていきたいと思います。
また何か変化などなどあった時にはブログにアップしたいと思います。